ドローンって、いつからあるの?
娯楽やスポーツ、撮影時にダイナミックな映像を生み出すなど、近年ではさまざまな場所で目にすることも増えてきたドローン。
無資格で扱える機種もあり、近未来を感じさせるアイテムですよね。
用途によっては資格を取る必要があるなど、その活躍の場は多岐にわたります。
そんなドローンですが、一体いつ何のために生まれたのかご存じでしょうか?
今回は、ドローンがもともとは何のために生まれたか、その歴史や定義などを詳しく解説します。
これからドローンを始めたい方も、もうすでに熟練者の方も、より深くドローンを知っていただけるきっかけになれば幸いです。
ドローンの名前の由来と定義は?
ドローンの名前にはどんな意味があるかご存じでしょうか?
実はドローンとは雄のハチを意味する英語で、一説にはプロペラの回転時に鳴る音がハチの羽音に似ているから、と言われています。
また別の説ではイギリスが先に完成させた無人飛行機の名前がクイーンビー、つまり女王蜂という名前だったため、アメリカでは雄のハチを意味するドローンと名付けられた、と言われています。
そしてドローンの定義ですが、多くの方がイメージするであろう形はもちろん遠隔操作や自動操縦によって飛行する小型無人機を総じてドローンと呼びます。
2015年の航空法改正により、上記に加えて「200kg以上の重量になる機体」という定義もありますが、一般的には無人飛行機=ドローン、という傾向にあります。
ドローンの誕生はいつ?
ここ10数年ほどで爆発的に認知度が上がったこともあり、比較的新しい技術として認識されている方も多いかもしれませんが、実はその歴史は第二次世界大戦にまでさかのぼります。
1935年にイギリスが完成させた無人飛行機がドローンのルーツと言われており、当時は爆弾を搭載したまま遠隔操作で敵に突撃するために生まれました。
現在から100年近く前にはすでに開発が始まっていたという事実には驚かされますよね。
戦場に向かう多くの兵士が日々亡くなっていく戦争において、無人で攻撃できる機器の発明はどの国にとっても急務だったのかもしれません。
しかし開発当時はまだコントロール不能になる事が多く、どの国も実戦投入できるレベルには至りませんでしたが、戦争が終わっても各国の開発は進んでいきます。
日本にいるとイメージしにくいかもしれませんが、現在でも戦場でドローンが使用されているなど、その性能ゆえの現実に胸が苦しくなりますよね。
軍事用から産業用、そして民間用へ変化していくドローン
電子部品の小型化やGPSが普及したこともあり、さらに高性能になっていったドローンは、戦地において無人で敵地を偵察できるようになるなど、活躍の場を広げていきました。
その一方で、1980年代になると大学の研究機関により産業用無人ラジコンヘリコプターが日本で生まれました。
世界初となるこの進化によって現在のイメージに近いドローンの姿に発展し、2000年代には大量生産により次第に安価での購入がしやすくなっていきました。
現在でも農薬散布用の無人ヘリコプターとして登録されているドローンの数は2.000機を超えるほど。
さらに2010年代になると、複数のプロペラを高速回転させて飛ぶマルチコプターからクワッドコプターに進化した事で大ヒットを記録します。
一般の消費者向けのドローンが販売されるようになったことで軍事用や産業用だけでなく民間人にも広く普及することとなり、現在のドローン人気につながっていきました。
ちなみに加速度センサーやリチウムイオンバッテリーといったドローンに必要な電子部品は現在スマートフォンにも活用されています。
特にカメラの手ブレ補正にも活用されているジャイロスコープは、日常的にスマートフォンで写真や動画を撮影することが多いであろう現代人にとって非常に身近に感じられるかもしれませんね。
おわりに
今回は、ドローンの歴史や定義を解説してきました。
どちらかと言えば娯楽やスポーツなどポジティブなイメージのあるドローンが、歴史をたどるとネガティブなルーツがあることに驚いてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現在でも戦場で使用されているという現実は悲しいですが、産業用や娯楽としても活躍していることも事実ですので、今後の進化にも期待せずにはいられませんね。
「科学や医学は戦争によって発展する」などと言う人もいますが、戦争から生まれた存在でも使い方を考えれば人々の暮らしを豊かにしてくれるはず。
ドローンを扱う方は、そうしたバックグラウンドも含めて楽しんでみると、さらにその魅力にハマってしまうかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。