ドローンを扱う時に気を付ける事は?
どんな文化でも発展とともに問題も増えていくものですよね。
近年では誰もが手軽に始めやすくなったドローンも、一歩間違えれば大きな事故になってしまう危険性を持っています。
しかし、しっかりと注意点を守っていれば安全に楽しめますよ。
今回は実際に起こった事件などをご紹介するとともに、ドローンを扱う際の注意点を解説します。
ドローンで許可がないとやってはいけないこと
まず必ず守らなければいけないことは、以下の4つです。
・アルコールや薬物などの影響下で飛行させない
・飛行前確認を行う
・航空機または他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させる
・他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させない
これらは、ドローンだけでなく自動車やバイクなど、何かを操縦する際に気をつけなければいけない当たり前のことですよね。
自分では趣味のつもりでも、その油断が誰かを重大な事故に巻き込む危険性を常に考えて行動しましょう。
そしてここからは、国土交通省の承認がなければやってはいけないことをご説明します。
夜間の飛行
理由は、夜間は目視でドローンを確認しにくくなるため、人はもちろん樹木や建物などへの接触により事故を起こす恐れがあるからです。
ちなみに夜間とは「日没から日の出までの時間帯」を指し、たとえドローンにライトが搭載されていても外がまだ明るくても、夜間に飛ばしてしまえば無許可での飛行となります。
国内でも季節や場所によって日の出や日没の時間は異なるため、判断に困る時間帯の場合にはしっかり調べてから飛ばしましょう。
目視できない範囲での飛行
「夜間の飛行」と似ている理由ですが、ドローンの操縦者が機体を肉眼で確認できない状況での飛行は大変危険です。
障害物に隠れてドローンが見えなくなってしまうような場所などで飛行するのは避けましょう。
ちなみに、双眼鏡、モニター、第三者による確認など、操縦者の肉眼以外でドローンを確認できていたとしても、それは無効となるので注意してくださいね。
人や物との距離が30m未満になる飛行
人や建物などに30cm未満にまで近づく飛行は、ケガや器物損壊につながるリスクがあります。
逆の立場で考えてみて、誰かが操縦するドローンがご自分や家の近くに飛んできたら、怖いと思いませんか?
どれだけ操縦に自信があっても突風などのイレギュラーな要素で重大な事故につながる可能性もあるため、良識の範囲で操縦しましょう。
お祭りやイベントなどの上空での飛行
大勢の人が集まるお祭りやイベントなどでドローンを飛行させることも、操縦不能などによる墜落で事故につながる場合もあるため、無許可でのドローン飛行は禁止されています。
とはいえ、お祭りやイベントのような盛り上がる場所こそドローンで派手な演出をしたいと考える方もいらっしゃるかもしれませんね。
基本的にはイベントのスタートから終了までドローンの飛行は禁止ですが、許可がおりていたり資格があれば扱える場合もあるため、どうしてもの場合にはよく確認してくださいね。
農薬散布などを含む危険物の輸送
農薬、毒物、引火性液体、火薬類、凶器といった、一般的に危険物と認定されるものをドローンで運ぶ場合にも許可が必要になります。
趣味でドローンを扱う場合にはあまり気にしなくても良いルールではありますが、たとえ産業などで使用する場合でも先述のようなものを無許可で運ぶのはやめましょう。
一歩間違えてしまうと犯罪者と勘違いされてしまう恐れもあるため、特に趣味でドローンを扱う方は注意してくださいね。
農薬散布などを含む物を投下する行為
ドローンから何かを投下したり、農薬の散布をしたりする行為を無許可で行うと航空法違反となります。
固形のものはもちろん、液体や霧状のものであっても落下させた地点に人や建物があれば大きな事故につながるため禁止されています。
ただし、空中からの投下ではなく運んだ物を地上に置く場合は「設置」となり、これは規制対象外となります。
ドローンにより実際に起こってしまった事件
ここまではドローンを飛ばす上で許可が必要なことをご紹介しましたが、ここからは実際にドローンにより引き起こされた事件をご紹介します。
首相官邸無人機落下事件
2015年4月22日に、当時40歳の元航空自衛隊員が放射性物質を搭載したドローンを首相官邸の屋上に落下させた事件です。
反原発を訴えるために引き起こされた犯行でしたが、これはまさに「農薬散布などを含む危険物の輸送」に当たりますよね。
この事件をきっかけにドローンの法整備が本格化し、ドローンの定義や飛行ルールが定められました。
少年YouTuberによるドローン事件
2015年5月21日に、YouTuberとして活動していた当時15歳の少年が、SNS上で「三社祭でドローンを飛ばすという投稿をしたことから威力業務妨害容疑で逮捕されました。
実際には飛ばす前に警察の職務質問で摘発されましたがこちらも先述の「お祭りやイベントなどの上空での飛行」に当たります。
厳重注意で終わった事件ではありますが、一歩間違えれば三社祭に来ていた人に被害があったかもしれないことを考えると、本当に怖いですよね。
おわりに
今回はドローンを扱う際の注意点を実際に起きた事件をご紹介しながら解説しました。
日本においてはまだ大きな問題は起こっていないものの、こうした事件をきっかけにドローンの法整備が進んできたことも事実です。
楽しく安全に楽しむためにルールは必要ですが、一部の非常識な利用者のために純粋にドローンを楽しみたい人の肩身が狭くなってしまうのは悲しいですよね。
これからドローンを始めたい方も、すでにドローンをお使いの方も、今一度マナーやモラルと照らし合わせながらルールに沿って楽しんでくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。