花札の歴史や由来、意味とは

花札は、昔から庶民の間で親しまれてきたカードゲームです。

この花札はいつ頃どのように広まっていったのでしょうか。

ここでは、花札の歴史や由来、絵柄の意味などについて見ていくことにします。

 

 

花札(こいこい)の歴史

 

花札の起源は、安土・桃山時代の「天正かるた」に由来するといわれています。

 

それが江戸時代になって庶民の間に広まり、たちまち人気娯楽となったのですが、

実はこの花札は約200年もの間禁止されていたと言いますから、ちょっと驚きです。

 

花札は、もとはポルトガルから伝わったカルタが賭け事に使われるようになったものですが、あまりに熱中する人が多く、武士の間にも広がっていったために、

幕府によって禁止されることになりました。

 

それでも武士たちのカルタ熱は冷めず、江戸幕府の目をごまかすために、

カルタの代わりに考案されたゲームのひとつが花札でした。

 

札に数字を入れると賭博用だと疑われるので、

一切数字を使わず絵柄だけのゲームが出来上がりました。

 

こうして、庶民や武士たちが密かに楽しんできた花札は、明治になって解禁され、

晴れて庶民の娯楽としてさらに広まっていきました。

 

しかし、1902年に骨牌(こっぱい)税法が制定されると花札にも

税金がかかるようになり、花札は衰退します。

 

それでも花札は庶民の娯楽として愛され続け、

スマホゲームが全盛の現代でも、根強いファンに支持されています。

 

 

花札(こいこい)の由来と意味

 

こいこいは2人で遊ぶ花札ゲームです。

 

まず親を決めますが、裏向きの札を1枚ずつめくって、

月の早い札を引いた方が最初の親となります。

 

花札のことを「こいこい」と呼ぶのは、

出来役という高得点の札合わせができそうなときに、

「こいこい」と言ってさらにゲームを続けることからきているようです。

 

 

花札(こいこい)の絵柄の由来

 

カルタが禁制となった時代、数字を入れないことで賭博用とばれないように

考案したのが花札であることは、先に述べたとおりです。

 

花札が多くの人に愛されたのは、

数字の代わりに入れた絵柄の面白さと優雅さにもあるようです。

 

たとえば、一番得点が高い「光札」に使われる札は、松に鶴、

桜に幕、ススキに月、柳に雨、桐に鳳凰など、風情のあるものが数多く見られます。

 

昔の人々には、これらの自然風物・花鳥風月を価値の高いものとして、

尊ぶ風習があったのです。

 

光札に次いで得点の高い「タネ札」を見てもそのことがわかります。

 

たとえば、梅に鶯、藤に不如帰、牡丹に蝶など、

どれも自然を愛する先人が編み出した、

粋な組み合わせと言えるのではないでしょうか。

 

花札の発祥は「賭博」だったかもしれませんが、

その奥に秘められた「粋」に多くの人が感じ入って、長く愛されてきたのでしょう。